現在担当している業務は
研修生の指導を行うことがメインとなり、騎乗訓練時には研修生と併走しながらの指導をすることもあります。その際に騎乗する馬の調教についても行います。競走馬を引退した馬や競馬は未出走だったけれど競馬に向けてトレーニングを積んできたサラブレッドばかりなので、馬に乗ったことのない研修生でも安全に乗れるよう、まずは職員で調教しています。また、研修の中では馬に乗ることだけでなく、馬の仕事をする上での知識もつけてもらうための講義も行います。
研修に係る事務仕事なども行いますし、BOKUJOBの事務局員として牧場での仕事について知ってもらうためのイベント等にも参加しますので、常に馬の傍にいる仕事というわけでもなく様々な仕事をしています。
公益財団法人 軽種馬育成調教センター(BTC)を就職先として選んだ理由は
観光牧場での体験乗馬をきっかけに小学6年生から乗馬少年団に入りました。高校・大学と部活でほぼ毎日厩舎にいる生活をしていましたが、仕事として馬と関わる覚悟は決められず、大学卒業後は馬に関係ない仕事へ就きました。
しかし、馬が近くにいない生活は想像よりも寂しく、馬の業界へ戻ることを考えたときにBTCで教官募集をしていることを知りました。育成調教技術者の人材育成ということで、馬だけでなく人の育成をする仕事という他には見当たらない仕事で自分に務まるか不安でしたが、自分のように馬が好きという人の支えになれればと思い応募しました。
また、前職が週休2日だったこともあり、その働き方に近かったことも選んだ理由になりました。当時は「馬の仕事=休みがない」というところが多かったので、労働時間等大きく変わることなく馬の仕事ができるという点もBTCを選んだ理由のひとつでした。
BTCの魅力は
研修生の騎乗訓練時に一緒に騎乗し、併走しての指導はBTCがスタートした指導方法でした。もちろん地上での指導もありますが馬上で研修生の指導をするというのは、馬に乗ることが好きな人にとっては大きな魅力だと思います。はじめは先輩職員に騎乗スタイル等教えてもらいながら、研修生に混じって一緒に勉強する中で徐々に研修生にもフィードバックできるようになっていきます。
また、競馬関連について勉強の機会を多くもらえると思います。JRAの関連団体であることから、競馬学校やトレーニング・センターなどの研修は貴重な経験です。他にも職員研修の一環として北海道内の馬術大会にも参加できますので、自身のスキルアップにも繋がると思います。
また、福利厚生面も充実しておりますので、プライベートの時間もしっかり確保しながら大好きな馬に関わる仕事ができる場所だと思います。
これまでに印象深かったことは
研修の一環で牧場見学に行った際、修了生が育成馬を調教をしているところを見られたのはうれしかったです。研修中に思うように馬のコントロールが出来ずに苦労していたような人も、あきらめずに経験を積むことで、牧場で活躍できることがわかりました。
また、教育用馬をリトレーニングし、研修生でも乗れるようになったのを見た時はとても感慨深かったです。自分自身の未熟さからたくさんやんちゃなこともされましたが、教育用馬として良い素質があったので時間を掛けてリトレーニングした甲斐があったと思いました。
仕事の面白さ、やりがい、大切にしていることは
研修生はほとんどが馬に触ったことや騎乗経験のない状態からスタートするため、初めはおっかなびっくりで馬の取り扱いや騎乗も不安定ですが、徐々に馬に慣れていく姿を見ていくのは楽しいです。研修生も皆個性があるので、ひとりひとりに合わせた指導が出来るようにすることを日々大切にしています。
まずは楽しく馬に乗ってもらいたいですが、取り扱いをひとつ間違えると大きな事故につながることもあります。BTCの教育用馬は大人しく人のミスも多めに見てくれる馬が多いですが、研修生たちが実際に牧場で働く際にはそのような馬ばかりではないため、危険が伴う際には厳しく言わないといけなくなる時もありますので、指導の際にはメリハリをつけるよう意識しています。
今後の目標
研修生に馬についてはもちろん、社会に出るにあたっての多くのことを伝えていきたいです。そのために自分も情報収集をしながら、日々勉強することを続けなくてはならないと感じています。
また、もっとたくさんの人にBTCについて知ってもらうことです。更に、牧場での仕事についてもっと多くの人に関心をもってもらえるといいなと思います。「競馬の仕事=競馬場の厩務員」というイメージが強いので、競走馬が競馬場に入る前の生産育成に携わっている方がいることを知ってもらうため、BOKUJOBでの活動も含めて積極的に行っていきたいです。
就職活動中の皆さんへのメッセージ
現在就職活動中の皆さんは、やりたい仕事やどういった職場で働きたいのか等理想はありますか?実際にその考えがない方もいるかと思いますが、ないからと言って何となく履歴書やエントリーシートを送るのではなく、実際に会社の雰囲気なども見て職場選びを行ってほしいと思います。書面やコメントだけではわからない会社それぞれの魅力があるはずです。数時間でその会社の特性をつかむのは難しいと思いますが、採用担当者はもちろんですが、その会社の現場で働いている人にもぜひ話を聞いてみてください。
BTC(特に教育課)は、一見真面目そうな人が多いですが、話してみると気さくで面白い人が多いです。研修生の訓練中は、大きな声を出しながら指導しているので怖くも見えるかも知れませんが、それ以外の時間は冗談も交えながら話をしていることもありますし、是非そんなギャップも見てもらえれば嬉しいです。
就職活動は大変なことの方が多いかと思いますが、自分が働きたいと思える職場を見つけられるよう頑張ってください。