BTC研修OB紹介インタビュー

   


現在のお仕事は

茨城県稲敷郡美浦村にある「JRA美浦トレーニング・センター」内で調教師として厩舎を運営しています。
調教師の仕事は馬主さんから競走馬を預かり、調教し、中央競馬のレースに出走させることが主な業務ですが、他にも育成・休養馬の状態確認や厩舎で雇用する調教助手・厩務員の労務管理、厩舎の経理事務など多岐にわたるタスクをこなしています。


なぜBTC研修を選んだのですか

時は1999年に遡ります。当時高校3年だった私は漠然と競馬業界を志していましたが、親類や知人に競馬関係者がいなかったこと、更に現在とは違ってインターネットが発達する以前だったこともあり、進路についての情報が非常に少ない時代でした。そのとき、たまたまではありますが高校の副担任の先生のお兄さんがJRAの役員をしており、「乗馬未経験でも騎乗技術を身に付けられる」「研修修了後の即戦力を目指して教育してくれる」旨を教えていただき、BTC研修に応募することを決めました。


研修生時代のエピソード

私の同期(17期生)は15人でしたが、乗馬あるいは生産・育成牧場でのアルバイト等を経験していた方がとても多く、入講当初は馬の取扱いや騎乗技術、初歩的な知識等、本当に皆についていくのがやっとだった事は今でもよく覚えています。当時は主としてアイルランドから招聘された外国人教官が技術指導にあたっており、時代背景もあって片言の日本語でよく叱られた(怒鳴られた)ものでしたが、今となっては本当に良い思い出です。 同期とは40代になった今でも多く繋がっており、2023年に中山大障害を勝って調教師としてGI制覇を成し遂げた際にも祝福メッセージをいただき、また、祝勝会も開いていただきました。大切な友人ばかりです。


研修修了後の経歴

研修修了後の2001年4月から3年2ヵ月、新ひだか町(当時は静内町)のビッグレッドファーム真歌で勤務し、新人ながら多くの良い馬に乗せていただき、さまざまな経験を積ませていただきました。その後は2004年9月にJRA競馬学校厩務員課程を修了(3ヵ月短期コース)し、同年10月からJRA美浦トレーニング・センターにおいて成島英春厩舎→伊藤正徳厩舎(2005年〜)→小桧山悟厩舎(2014年〜)にそれぞれ厩務員又は調教助手として勤務し、2015年12月にJRA調教師試験に合格、翌年3月から調教師免許が発効され、2017年3月1日から厩舎を開業し今に至ります。


これから入講を考えている方へのメッセージ

私はいわゆる競馬とは無縁の家庭で育ち、競馬に興味を持った中学生の頃から競馬のことしか考えずこの世界に進み、幸運にもこれまで生きてこられました。もちろん自分でもそれなりに頑張ってきた自負はありますが、今もって本当に多くの方に助けていただいてここまでこられたのだと、この歳になってしみじみ感じています。仕事は1つではありませんから、私のように「これだ!」と決めて(≒思い込んで)始めるのもアリですし、また軽い気持ちで進んでみるのもアリです。どんな意気込みで始めてみても、真剣にやってさえいればモチベーションは後からついてくると思いますので、正直迷っているよ、という方こそ敢えて一歩を踏み出してみてください。生き物相手ですから思い通りにならない日々がきっと貴方を待っていると思いますが、それゆえの面白さもあるのです。競馬の世界は一旦離れても戻ってくる人がとても多い業界です。それだけの魅力が競走馬、競馬にはあると思います。これからの時代、騎乗できる技術を持った人材はどこでも引く手あまたです。自分の技術を(金銭的にも)高く評価してもらいたい!という意気込みの方には特にチャンスがあるでしょう。共に競馬を盛り上げましょう。



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